ベトナム送り出し機関で働く日本人のブログ

ベトナム生活で日々感じたことを不定期更新します。ベトナム人材(技能実習生、技術・人文知識・国際業務、特定技能、インターンシップ)についてのご相談を承ります。

外国人材の募集格差について

外国人材を採用、検討している事業者様にはご参考いただけると思います。


現在、ベトナム国内では実習生の仕事内容(職種)による募集格差が広がっています。最後に更新されたのは2018年12月で、現在80職種144作業が認定されています。


人気のある職種の求人については、募集人数が多くても困らないですが、不人気の職種については募集が難しくなっています。


実習生たちが日本へ行く目的は、出稼ぎです。日本語や経験を積んでキャリアアップしたいと考える人もいますが少数です。そのため給料が高ければ人は集まりそうなものですが、不人気職種については、平均以上の手取りであっても難しいのが現状です。


人気のある職種は、惣菜などの食品製造分野。電子・電気機器組立など。自動車関連の製造業など。不人気の職種は、建設業、農業関係、鋳造、水産加工、縫製、介護などです。


労務管理がしっかりしている。クリーンで衛生的な職場。軽作業。経験や技術はあまり求められない、というような仕事は容易に人が募集できます。日本人がやりたがらない仕事は、ベトナムの若者にとっても敬遠されるということがお分かりいただけると思います。


所謂3Kの仕事こそ、外国人材に頼っていかなければなりません。発展途上の貧しい国だから求人を出せば人が集まるという考えは減ってきていると思いますが、沢山の求人がある中で、厳しい仕事をあえて選ぶ人がいるでしょうか。この問題について真剣に取り組んでいく必要があります。



最後に、、、実習生たちを必要としていただき、温かく迎えてくださり、大切にしてくださる事業者様が多くいらっしゃいます。そういった事業者様で働く実習生たちからは、自然といい口コミが発生しますし、身内や知人の紹介が生まれるため、意欲的な人材を採用することができます。これは職種に関係なく言えることですので、事業者様にはご理解いただきたいと思います。


また送り出し機関の募集能力は、会社ごとにかなりの差があります。募集は実習生を受け入れるための第一歩とも言えますので、送り出し機関の担当者に十分確認していただくことをおすすめします。



以上です。最後までご高覧頂きまして有難うございました。

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E-mail:vietnam.maru@gmail.com(べとまる)

特定技能について、ベトナム人材業界はどのように受け止めているか

話題の新在留資格「特定技能」について、

概要については、関連した記事が沢山書かれていることと、まだ未確定の部分が多いのでここでは省略します。特定技能の目的は、「外国人材を受け入れる間口を広げて、深刻な人手不足を補いましょう!」というものですが、今回はこちらについてベトナム側の視点に立って記事にしてみたいと思います。


1.特定技能を希望する人材は集まるのか!?


政府の試算で初年度4万人の受入とも言われています。介護については、実習生の介護職種を見る限りでは、募集の難易度はかなり高いはずです。


業種により募集の難易度に差ができるのは明白ですが、日本で働きたいベトナム人はまだまだ多く、何より日本側から募集依頼があれば、送り出し機関はよほどの理由がなければ断らないと思われ何としてでも候補者をかき集めるのではないかと思います。


しかしながら募集については、楽観できない状況です。既に実習生においては、仕事内容による募集格差が顕著となっています。建設業などは特に不人気で、候補者を募集するのが難しくなっています。



2.どのような人材が候補になるか


創設から5年は90%程度が元実習生に当たると考えられています。日本語や経験などの資格要件をクリアする必要がありますが、3年満了して帰国した元実習生であれば資格を満たしているとして、試験を免除される可能性が高いようです。


実際に帰国した実習生たちから、もう一度日本へ行きたいという声を聞くことは多いです!


有り難いことですが、日本が好きでというよりは、お金目的が大半です。実習生で3年間仕事をしても、ベトナムで経験を活かす場がなかったり、あったとしても賃金はベトナム水準です。。


実習生の中には、帰国してすぐに結婚する人は少なくありません。ある程度まとまった貯金がないと結婚できないというのは、日本人と変わらない思考です。日本人と違うなと驚くところは、せっかく彼女と3年間の遠距離を乗り越えて結婚したのに、またすぐに日本へ行きたいと言う人がいます。寂しくないの?と聞けば寂しいけど、子供のためにお金を稼ぎたいですから仕方がないです。といった返事をします。



3.「特定技能」に期待している点について


再入国のチャンスとして2017年に技能実習3号ができましたが、全ての希望する実習生に与えられる資格ではありません。3号は一般監理団体を経由することと、実習生3年目に試験を受けて合格する必要があります。


せっかく仕事を真面目に頑張り、日本語もJLPTでN2、N3合格したにも関わらず、入国時に特定監理団体を経由していたり、企業側が3号の受入を希望しないことでチャンスを絶たれる人がいて、運に左右される要素があり不公平感が否めませんでした。


私も結構な数の元実習生たちから、再入国について相談を受けましたが、彼らを再び日本へ送り出すことが出来ないことが多かったので、今回の特定技能が受け皿になってくれないかと期待をしています。




まとめ
・ベトナム人材の募集は可能だが、仕事内容による募集格差が生まれると想定される。

・ベトナム人材の目的は、お金を稼ぐこと!


・制度と実態に開きがなく、不公平感が出ないような制度設計が期待される。





以上です。最後までご高覧頂きまして有難うございました。


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ベトナム実習生の手数料について(後編)

前編からの続き



1.取引先や契約を検討している送り出し機関の手数料を知りたい!


送り出し機関の代表や担当者にいくら手数料を取っているのか聞いてみると、大体の数字は教えてくれます。中にははっきり明言する人もいます。入国した実習生側に聞いて照らし合わせることもできます。ここで金額に開きがあれば、腹が立つところですね。


送り出し機関と実習生の数字が同じであれば、真面目にやっているなと考えられると思いますが、これだけで正しいだろうと考えるのは実は早計です。技能実習生の中には、本当の金額を言うことを口止めされていることがあります。数十、数百人と聞き取りしていけば実態が見えてくるかもしれませんが、そこで気付いても遅いですね。。


結局のところ、正しい数字を確認する方法は、送り出し機関の代表者にしか分かりません。経理の責任者であっても、日本側の管理費の数字を把握していないことがあり、全体は見えていないのです。実習生や家族への請求書や領収書、帳簿の類が出てこれば別ですが、これは絶対に表には出てこないもので、送り出し機関の役員クラスでも確認することは難しいと思います。



2.技能実習生の言うことが全て正しいとは限らない!?


前項でも触れましたが、実習生が本当のことを話すとは限らないという認識は常に持っているべきです。手数料について口止めされているかもしれませんし、借金100万円あると泣きつかれても、これらの大半が送り出し機関に支払われたのか分かりません。実のところ、ギャンブルで作った借金が入っているかもしれません。


実習生たちは、3年でいくら稼げるか、1日でも早く借金を返済することが全てという人が少なくありません。借金を多く見積り、社長に窮状を訴えて、残業と休日出勤を要求する人は少なからずいるでしょう。それにより、送り出し機関やベトナム全体の印象が悪くなることは気にしていられないのです。


恩を仇で返されたという経験をされた方も、少なからずいらっしゃると思います。


受入企業、協同組合、送り出し機関が問題とされる報道が多い反面、技能実習生たちを問題視する声は少ないように思います。実習生起因の問題も存在し、それについても正しく事実を伝えた上で、「特定技能」など法整備について議論する必要があります。



3.手数料が高額になるのは仕方がない!?


ベトナムには、300を超える送り出し機関が存在します。顧客獲得のために、日本側からの厳しい要求を飲んだり、様々なサービスを提案したり、そのため手数料を上げざるを得ないというのが、送り出し機関の言い分です。


実際に手数料を下げることは経営努力により可能ですが、それができる会社は、ほぼいません。事業としての旨味がなくなるため、ぎりぎりまで稼いで撤退した方が良いと考える経営者が多いと推察します。


DOLABの定める手数料に対して、罰則を与えられない現状ですので、適正価格で運営していれば協定締結をしても問題ないというのが私見です。



まとめ

技能実習生たちが支払う手数料の実態がご理解いただけたと思います。


ベトナム人技能実習生は夢と希望を抱き、家族の期待を一身に背負い、遠く日本までやってきます。彼らの夢が少しでも現実に近づけるように、送り出し機関の経営者はできる限りの努力をして手数料を適正価格に近づけてほしいと思います。



以上です。最後までお読みいただき有難うございました。


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弊社は、技能実習生の手数料+教育費 3,800USDです。
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