ベトナム送り出し機関で働く日本人のブログ

ベトナム生活で日々感じたことを不定期更新します。ベトナム人材(技能実習生、技術・人文知識・国際業務、特定技能、インターンシップ)についてのご相談を承ります。

ベトナム実習生の手数料について(後編)

前編からの続き



1.取引先や契約を検討している送り出し機関の手数料を知りたい!


送り出し機関の代表や担当者にいくら手数料を取っているのか聞いてみると、大体の数字は教えてくれます。中にははっきり明言する人もいます。入国した実習生側に聞いて照らし合わせることもできます。ここで金額に開きがあれば、腹が立つところですね。


送り出し機関と実習生の数字が同じであれば、真面目にやっているなと考えられると思いますが、これだけで正しいだろうと考えるのは実は早計です。技能実習生の中には、本当の金額を言うことを口止めされていることがあります。数十、数百人と聞き取りしていけば実態が見えてくるかもしれませんが、そこで気付いても遅いですね。。


結局のところ、正しい数字を確認する方法は、送り出し機関の代表者にしか分かりません。経理の責任者であっても、日本側の管理費の数字を把握していないことがあり、全体は見えていないのです。実習生や家族への請求書や領収書、帳簿の類が出てこれば別ですが、これは絶対に表には出てこないもので、送り出し機関の役員クラスでも確認することは難しいと思います。



2.技能実習生の言うことが全て正しいとは限らない!?


前項でも触れましたが、実習生が本当のことを話すとは限らないという認識は常に持っているべきです。手数料について口止めされているかもしれませんし、借金100万円あると泣きつかれても、これらの大半が送り出し機関に支払われたのか分かりません。実のところ、ギャンブルで作った借金が入っているかもしれません。


実習生たちは、3年でいくら稼げるか、1日でも早く借金を返済することが全てという人が少なくありません。借金を多く見積り、社長に窮状を訴えて、残業と休日出勤を要求する人は少なからずいるでしょう。それにより、送り出し機関やベトナム全体の印象が悪くなることは気にしていられないのです。


恩を仇で返されたという経験をされた方も、少なからずいらっしゃると思います。


受入企業、協同組合、送り出し機関が問題とされる報道が多い反面、技能実習生たちを問題視する声は少ないように思います。実習生起因の問題も存在し、それについても正しく事実を伝えた上で、「特定技能」など法整備について議論する必要があります。



3.手数料が高額になるのは仕方がない!?


ベトナムには、300を超える送り出し機関が存在します。顧客獲得のために、日本側からの厳しい要求を飲んだり、様々なサービスを提案したり、そのため手数料を上げざるを得ないというのが、送り出し機関の言い分です。


実際に手数料を下げることは経営努力により可能ですが、それができる会社は、ほぼいません。事業としての旨味がなくなるため、ぎりぎりまで稼いで撤退した方が良いと考える経営者が多いと推察します。


DOLABの定める手数料に対して、罰則を与えられない現状ですので、適正価格で運営していれば協定締結をしても問題ないというのが私見です。



まとめ

技能実習生たちが支払う手数料の実態がご理解いただけたと思います。


ベトナム人技能実習生は夢と希望を抱き、家族の期待を一身に背負い、遠く日本までやってきます。彼らの夢が少しでも現実に近づけるように、送り出し機関の経営者はできる限りの努力をして手数料を適正価格に近づけてほしいと思います。



以上です。最後までお読みいただき有難うございました。


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