ベトナム送り出し機関で働く日本人のブログ

ベトナム生活で日々感じたことを不定期更新します。ベトナム人材(技能実習生、技術・人文知識・国際業務、特定技能、インターンシップ)についてのご相談を承ります。

技能実習生の履歴書は、嘘ばかり!?

読売新聞オンラインの記事を読みました。記事の内容は、紛れもない事実です。。



技能実習生の履歴書には、2つの種類があります。

①採用企業が面接する時のために用意する履歴書

面接に参加する候補者の履歴書です。面接日の1週間~3日程前までに、送り出し機関から監理団体へ送られます。


本題とは外れますが、記事では、②の方が職歴偽装の対象となっていますが、①も偽装されていること多いのでご注意を!送り出し機関や候補者が合意のもとに、面接に合格するため、その場を取り繕うために偽装していることがあります。前職では偽装を何回も目撃し、その度に正直に本人の経歴を伝えた方がいいと指摘した経験があります。その送り出し機関の悪習は、1年では治りませんでしたが、最終的に随分まともになりました。



②入国管理局に在留資格申請するために用意する履歴書

技能実習生は、ベトナムの勤務先の職種と、実習先の仕事が一致している必要があり、それを証明しなければなりません。送り出し機関には、職種ごとに提携会社があり、該当職種の書類作成が必要になるとお金を払い、勤務実態を用意します。


技能実習生の2号移行対象職種に『ビルクリーニング』があります。実習生の多くは、地方の農村地域の出身者ですが、高層ビルがないような田舎です!『そう菜製造業』と言ってもコンビニ自体少ないし、お惣菜はほぼ無いに等しいです。ならば『農業』は大丈夫?ベトナム人の70%は農業をしてるぞ~!と現実は甘くなく、、日本側が求める書類を用意することはできません。逆に手間がかかります!つまり、実際にベトナムでの職種と実習先の仕事が一致している場合であっても、お金を払い偽装書類を用意している現状です。。


特定技能の書類で気をつけること

この記事を書いている時点では、日越協力覚書の締結は公表されていないため、必要書類については不明です。情報が入り次第、記載いたします。



(おまけ)元実習生が、留学生や技術ビザなどを取得し再入国することがあります。その際、技能実習ビザ取得のために、入国管理局へ提出した履歴書は非常に重要な書類となります。実習生で入管へ提出した履歴書と、新たに提出する履歴書は一致している必要があるからです。


技術ビザは大卒資格が必要です。元実習生の中には、大卒資格を持っているのに、技能実習ビザ取得のための履歴書には、最終学歴が高卒で入管に提出されているケースがあります。理由として、大卒者が技能実習をすることに違和感があるとか、職歴期間を作る必要があったからと言われています。近年、元実習生が再入国を希望することが増えてきたため、学歴を改ざんする送り出し機関はなくなったと思います。


まとめ

技能実習生の履歴書は、制度と実態のゆがみを生んでいる一因です。書類を用意するための費用は、実習生が負担します。送り出し機関の書類業務は、複雑になり人為的なミスも起こります。履歴書の間違いにより、在留資格が不交付となるケースでは、二度と日本に入国できなくなるばかりか、送り出し機関に払った前金が返金されない。仕事を退職してしまうため、再就職先を探す必要があるなど、最悪の事態も招くことがあります。


夢を持った実習生たちを応援できる、嘘をつく必要がない制度になってほしいと願うばかりです。


以上です。最後までご高覧頂きまして有難うございました。



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