ベトナム送り出し機関で働く日本人のブログ

ベトナム生活で日々感じたことを不定期更新します。ベトナム人材(技能実習生、技術・人文知識・国際業務、特定技能、インターンシップ)についてのご相談を承ります。

リファラル採用とベトナム人材(実習生)

リファラル(referral)は、紹介や推薦を意味しています。日本企業で、リファラル採用の導入率が上がってきているようです。


1.リファラル採用のメリット・デメリット
【メリット】
①自社の社員や知人などから紹介のため、採用コストを抑えることができる。紹介者に対して、御礼を支払うことができる。


②転職を考えていなかった層にアプローチできる。


③紹介者から事前に社内事業を聞いていたり、入社後も相談できる相手がいるため、定着率が高い。


【デメリット】
①前職や就業中の友人に声を掛けることになるため、引き抜き行為が発生する。


②不合格になった場合や、入社後に問題が発生した場合、紹介側とされた側の関係性が悪化する。


③同質の人材が集まりやすくなり、場合によっては不利益な派閥ができてしまったりダイバーシティが損なわれることがある。職場や部門によりメリットにもなる得る。



2.ベトナムでは、リファラル採用が一般的
以前の職場では、採用の5割以上が紹介だったように感じる。実際に、私も知人を紹介したことがある。その時は特別会社から感謝されるようなこともなかったし、見返りを求めるようなものでもないということが分かった。


紹介で入社した人が、ものの1か月経たないうちに退職することもあるが気にしない。紹介した方も、された方も気負わないし、会社側も期待しない。通常1~2か月程度の試用期間を設けているため、その間にお互いに判断しましょうといった具合です。


企業側は紹介が増えるために特別な施策を取っているかと言えば、ほぼ何もしていないと言っていいと思います。



3.ベトナムで、リファラル採用が普及している理由
ベトナムにも人材紹介を生業にしている会社や、ホームページなどで常時採用している。しかしインターネットの情報は信用できないといった根強いイメージがあり、実際にフィッシングも多い。紹介の方が安心感があり、上述のように気負う必要がない。


転職に対して抵抗がなく、むしろ転職してキャリアアップすることは当たり前。能力のある人間ほど転職(引き抜き)または起業したがる。ベトナムでは、旧正月(テト)前にボーナスが支給される。そしてボーナスをもらったら、旧正月明けから新しい職場で働く人が増える。



4.ベトナム実習生にリファラル採用は使えるか!?
ここまで読み進めてもらえば日越の採用方法や、考え方の違いは何となくご理解いただけたと思う。実習生の候補者募集する際も、紹介は当然として存在しており、在日実習生たちが紹介したいと思える送り出し機関(手数料やサポート)、受入企業の待遇だったりが大切になる。


受入企業において、評価を意識している会社は多いが、人材募集は送り出し機関任せになっているためリファラル採用の運用まで考えられていない。もし実習生たちが、「社長、私の友達を紹介したいけどいいか?」と聞かれたら、都度SKYPEで面談してみるくらいあってもいいと思う。言葉の問題があるので送り出し機関や監理団体に相談すれば対応してくれると思う。



以上です。最後までご高覧頂きまして有難うございました。


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