ベトナム送り出し機関で働く日本人のブログ

ベトナム生活で日々感じたことを不定期更新します。ベトナム人材(技能実習生、技術・人文知識・国際業務、特定技能、インターンシップ)についてのご相談を承ります。

特定技能について、ベトナム人材業界はどのように受け止めているか

話題の新在留資格「特定技能」について、

概要については、関連した記事が沢山書かれていることと、まだ未確定の部分が多いのでここでは省略します。特定技能の目的は、「外国人材を受け入れる間口を広げて、深刻な人手不足を補いましょう!」というものですが、今回はこちらについてベトナム側の視点に立って記事にしてみたいと思います。


1.特定技能を希望する人材は集まるのか!?


政府の試算で初年度4万人の受入とも言われています。介護については、実習生の介護職種を見る限りでは、募集の難易度はかなり高いはずです。


業種により募集の難易度に差ができるのは明白ですが、日本で働きたいベトナム人はまだまだ多く、何より日本側から募集依頼があれば、送り出し機関はよほどの理由がなければ断らないと思われ何としてでも候補者をかき集めるのではないかと思います。


しかしながら募集については、楽観できない状況です。既に実習生においては、仕事内容による募集格差が顕著となっています。建設業などは特に不人気で、候補者を募集するのが難しくなっています。



2.どのような人材が候補になるか


創設から5年は90%程度が元実習生に当たると考えられています。日本語や経験などの資格要件をクリアする必要がありますが、3年満了して帰国した元実習生であれば資格を満たしているとして、試験を免除される可能性が高いようです。


実際に帰国した実習生たちから、もう一度日本へ行きたいという声を聞くことは多いです!


有り難いことですが、日本が好きでというよりは、お金目的が大半です。実習生で3年間仕事をしても、ベトナムで経験を活かす場がなかったり、あったとしても賃金はベトナム水準です。。


実習生の中には、帰国してすぐに結婚する人は少なくありません。ある程度まとまった貯金がないと結婚できないというのは、日本人と変わらない思考です。日本人と違うなと驚くところは、せっかく彼女と3年間の遠距離を乗り越えて結婚したのに、またすぐに日本へ行きたいと言う人がいます。寂しくないの?と聞けば寂しいけど、子供のためにお金を稼ぎたいですから仕方がないです。といった返事をします。



3.「特定技能」に期待している点について


再入国のチャンスとして2017年に技能実習3号ができましたが、全ての希望する実習生に与えられる資格ではありません。3号は一般監理団体を経由することと、実習生3年目に試験を受けて合格する必要があります。


せっかく仕事を真面目に頑張り、日本語もJLPTでN2、N3合格したにも関わらず、入国時に特定監理団体を経由していたり、企業側が3号の受入を希望しないことでチャンスを絶たれる人がいて、運に左右される要素があり不公平感が否めませんでした。


私も結構な数の元実習生たちから、再入国について相談を受けましたが、彼らを再び日本へ送り出すことが出来ないことが多かったので、今回の特定技能が受け皿になってくれないかと期待をしています。




まとめ
・ベトナム人材の募集は可能だが、仕事内容による募集格差が生まれると想定される。

・ベトナム人材の目的は、お金を稼ぐこと!


・制度と実態に開きがなく、不公平感が出ないような制度設計が期待される。





以上です。最後までご高覧頂きまして有難うございました。


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