「日本語能力試験(JLPT)」について
日本語の試験といえば、先ず日本語能力試験(JLPT)を思い浮かべる人が多いと思います。この記事では、特定技能の要件にもなっているJLPTについてと、主催の国際交流基金のことも少し調べてまとめました。
JLPTとは?
日本語能力試験(JLPT)は、JAPANESE LANGUAGE PROFICIENCY TESTの略称です。
日本語能力試験は、日本語を母語としない人の日本語能力を測定し認定する試験として、国際交流基金と日本国際教育協会(現日本国際教育支援協会)が1984 年に開始しました。開始当初の受験者数は全世界で7,000人ほどでしたが、2011年の受験者数は全世界で約61万人にのぼり、世界最大規模の日本語の試験となっています。
35年前からあるんですね!世界中の人たちが日本語を勉強してくれているのは、日本人としてはとても嬉しいです。
試験内容は?
[試験科目]:言語知識(文字・語彙・文法)・読解、聴解が出題されます。解答方法はマークシート方式です。基本4つの選択肢ですが、聴解は3つの問題もあります。
そのため、JLPTは「書く」「話す」のスキルを測るものではありません。
[レベル]:N1、N2、N3、N4、N5の5つのレベルがあります。N1は、非常に難しく、高い日本語能力を証明するに相応しいものとなっています。
中国や台湾などの漢字圏の人たちに、とても有利な試験とされています。一方、非漢字圏のベトナム人は、漢字に一苦労するため、N1取得者ともなれば極端に少なくなります。また会話力は、N2のベトナム人であれば、N1中国人より上手と言われることがあります。
JLPTのサイトには、N1~5までの問題例に挑戦できるようになっているので挑戦してみてください!
試験・合否日程
[試験日]:1年に2回、7月上旬と12月上旬に実施されます。
第1回 2019年7月7日(日)
第2回 2019年12月1日(日)
第1回試験 実施都市
日本:47都道府県(2019年予定)
海外:40の国・地域、135都市(2018年実績)
第2回試験 実施都市
日本:47都道府県(2019年予定)
海外:76の国・地域、232都市(2018年実績)
[合否の結果]:は、2か月後、JLPTのサイトから確認ができます。
合格に要する期間の目安
全く日本語を勉強したことがない人は、当然ひらがな、カタカナ、数字の読み方など一から勉強する必要があり、想像に難くない努力が必要です。
ベトナム実習生が送り出し機関の日本語センターで勉強する場合、平日8時間+土曜半日+自習2時間ほどを4~6ヶ月ほど続けます。この間、日本の生活(ごみ捨て、交通など)やレクリエーションなど、1-2月にはテト休みを挟みます。1クラス15名ほどを想定した場合は、下記程度の期間が必要です。
N5合格まで・・・3ヶ月
N4合格まで・・・8ヶ月
N3合格まで・・・1年半
優秀な学生であれば、半年ほどでN4に到達します。エンジニアであれば、N4まで6ヵ月、N3まで1年を見込めます。
日本語能力試験のメリット
[就職]:ベトナムでは、N3持っていれば仕事に困らない状態です。特に日本語教師の需要が多くあります。N2取得者であれば、日本語を必要とする仕事に引っ張りだこで、日系企業の就職や通訳の仕事を得ることができます。N1取得者ともなればは、尊敬を以って厚遇を受けることができます。
[待遇]:本人の経験などにもよりますが、日本語ができる、できないで待遇は大きくことなります。
- N3 3~6万円/月
- N2 6~15万円/月
- N1 10万円~/月
[在留資格]:日本語能力試験の認定には、学校での単位・卒業資格認定や、企業での優遇、社会的な資格認定、在留資格の取得要件にもなっているなど、さまざまなメリットがあります。
・日本の医師等の国家試験を受験するためには、N1が必要です。
・日本の中学校卒業程度認定試験では、N1かN2の合格者は、国語の試験が免除されます。
・EPA(経済連携協定)に基づく看護師・介護福祉士の候補者選定の条件では、N5程度(インドネシア、フィリピン)またはN3(ベトナム)以上の認定が必要です。
・技能実習生の介護職種では、在留資格の申請前にN4(またはJ-TEST、NAT-TEST)合格が必要です。(厚生労働省は、入国1年後にN3に合格できなくても、さらに2年間の在留を認め、N4のままでも計3年間は滞在できるようにすると緩和を決めました。)
・特定技能では、全業種において、N4合格または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格が必要です。
受験料は場所によって変わる?
[日本国内]:全てのレベル一律 5,500円(税込)
[ベトナム]:N1~3 500,000VND(約2,500円)、N4~5 450,000VND(約2,200円)
国内でも、海外で受験する場合でも、試験内容は同じですが、現地の所得水準に合わせて料金設定しているものと思います。
実施主体の独立行政法人国際交流基金(The Japan Foundation)とは・・・
外務省が所管する独立行政法人の一つ
世界の全地域において、総合的に国際文化交流を実施する日本で唯一の専門機関です。日本の友人をふやし、世界との絆をはぐくむため、「文化」と「言語」と「対話」を通じて日本と世界をつなぐ場をつくり、人々の間に共感や信頼、好意を育んでいきます。
「文化」「言語」「対話」の3つをキーワードに事業がされているようです。
言語分野での活動内容を見ていきましょう
日本語教師の育成、海外派遣、日本語教師の役に立つコンテンツを開発、日本語学習者に対しての日本語講座、教材の開発、映画上映会やチャリティ公演、日本語スピーチコンテストなどイベントの開催をしたり、国際交流基金賞、地球市民賞というもの顕彰しています。
2017年の財務諸表を見てみました。
運営には、国からの補助金として約150億(2017年度)が最も大きいようですが、次いで「日本語能力試験受験料等収益」が11億円(2017年度)と目立ちます!
世界24か国・29拠点あります。
ハノイにも拠点があります!
ベトナム日本文化交流センター
住所:No. 27 Quang Trung Street, Hoan Kiem District, Hanoi, Vietnam
電話:84-24-3944-7419
まとめ
日本語能力を測る上で、基準を作ってきたのが日本語能力試験(JLPT)と言えそうです。5つのレベルを設定し、段階的に目標設定できるJLPTの合格を励みに、勉強を頑張った外国人の方は多いのではないでしょうか。
JLPTに合格することで、その後の人生が大きく好転することになるかもしれません。実際に、私の関わってきた多くのベトナム人がチャンスを掴んでいます。独立起業したり、日系企業で社長秘書をしたり、日本とベトナムを頻繁に行き来している人たちがいます。
仕事、社会的地位、お金だけでなく、友人が増え、世界が広がる、人生が豊かになりますね!
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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